部屋の間取りを決める時に

まだ新築の一軒家が出来上がるまでに、日数があります。
主人は、毎日毎日楽しそうにチェックをしていますが、私は若干憂鬱なことがあります。

というのも、一軒家の間取りを決める時に、まだ子どもを望んでいた私は、
将来、子ども部屋として使うための部屋を一つ作って欲しいと主人に頼みました。
しかし、主人は、
「まだ子どもを望んでいるのか?俺も欲しいけれど、今のところ何の兆しもないし、
 年齢的にも厳しいんじゃないか?
 俺は、子ども部屋より、自分の部屋が欲しいんだけど、いいかな?
 寝室は一緒にするつもりだけど、自分の書斎か趣味の部屋が欲しいなって思って。
 今まで、自分の部屋を持てなかったから、せっかく一軒家を買ったんだし、
 広々と使いたいなって思ってね。どう?」
と聞いてきたのです。

男性は何歳になっても子どもが出来る可能性があるからいいけれど、
女性にとっては、年齢的に限りがあり、可能性が少ないことは主人もわかっていると
思います。
そして、私がずっと子供を欲しがっていたことも十分理解していたはずだと思います。
けれど、こんなに冷たいことを言われて、私はすごくショックでした。
出来ないなりにいろいろと努力してきたのですが、残念ながら恵まれなかったことに、
私は自分に責任があると思っていたので、余計に傷ついてしまいました。
なので、主人に少し強く反発してしまいました。
今まで悩んでいたこと、思っていたことをほとんど、主人に言いました。

すると、私の気持ちが少し伝わったみたいで、謝ってくれましたが、
すぐにまた間取りのことについて、聞いてきたのです。
よっぽど、自分の部屋がほしいんだなと思い、少しあきれてしまいました。
でも、これから長く住むお家なので、
「好きなようにしていいよ!」
と言ってあげました。
すると、
「いいの?」
と嬉しそうに、まるで子どもの様に、はしゃいでいたので、
まぁ、いいか。と思いましたが、何だか憂鬱な気分でした。

展示場に行き、ついにマイホーム購入へ

主人が急に一軒家を買うと決めてから、初めての2人揃っての休みの日になりました。
私の意見も聞かぬまま、半ば強引に私を展示場に連れて行きました。
いろんな場所を転々と回った後、私にとって気に入ったお家がありました。
今まで見てきた家とは一味違いやわらかい感じの色合いのお家でした。
しかし、強引に連れて来られたので、住みたい家も選ばせてもらえないだろうなと
思っていると、なんと主人が、
「この家の色合い、イイね。今日、何件か見てきた中で一番イイかも。
どう思う?」
と聞いてきたのです。
まさか、私と意見が合うとは思っていなかったので、思わず固まってしまいました。
すると、
「え?嫌?でも、この家がすごく気に入っちゃったんだよね。
 君が嫌でも、よしこれに決めた!」
と言ったので、
「違うの。私もこの家を見た時に、色合いが素敵だなって思って・・・。
 そしたら、あなたも“色合いがイイね!”って言うから、まさか意見が一致するとは
 思わなくて、思わずびっくりしちゃったの。
 だって、あなたとはいつも好みとかが全く合わなくて、お互い我慢しているところが
 あったじゃない?
 なのに、一番大事な買い物の時に、意見が一致するってとても良いことだと
 思ったの。」
と伝えました。
「ホントだな。今まで、何か決める時っていつも揉めてたもんな。
 こんな大事な時に意見が合うなんて、俺も驚いたよ。
 よし、じゃあ、ここで決めよう!いいだろ?」
と聞いてきたので、
「いいけど、お金とか大丈夫なの?
 一括で購入できないから、ローンとかになると思うけど、
 大丈夫?もし、子どもが出来たら、もっと金銭的に苦しくなると思うよ?」
と心配になり聞きました。
けれど、
「大丈夫だよ。どうにかなるって。
 きちんとローン払うように頑張るし、金利が安いローンとかいろいろ探すから!」
と何度も説得され、私は主人の勢いに負け、とうとう一軒家を購入することが
決まってしまいました。

マイホームに対する主人の熱意を、再度実感。

マイホームを購入すると決めてからの主人の行動力は、凄まじいものでした。

自分でいろんなローン会社との相談を何度も行い、私たちにとって一番お得で
損が少ないローンプランを探し出したり、
マイホームのオプションも担当者の方と何度も打ち合わせを重ね、
また私の意見も取り入れてくれて、主人にとっても私にとっても
とても満足のいくオプションや内装にに仕上がることが出来ました。

結婚してから今まで、何かをするという時も、いつも乗り気ではなく、
私がすることに対して、主人はいつも文句を言っていました。
そんな主人が、これほどまでに自分でいろいろと考え、決めていった姿を見て、
とても驚きました。
また、主人のマイホームに対する熱意がヒシヒシと伝わり、
よっぽど欲しかったんだなと、再度実感しました。

家の基礎に使う素材もこだわったものを使い、建て方もこだわったので、
完成までに思ったより長く掛かりました。
その間、主人はいつもソワソワしていて、一日が終わるたびにカレンダーに
丸を付け、完成までのカウントダウンを楽しんでいました。
私は、主人ほど完成するまでにワクワク感などは無かったのですが、
主人が嬉しそうにしている姿を見て、なんだかほっこりした気分を味わっていました。
家を建てると決めてからは、今までより節約などに力を入れて、
出来るだけ貯金するように心がけました。
完成したら、それから約30年、ローンを払わなくてはいけないので、
ローンのことを考えると、少し暗い気持ちになってしまいますが、
新たに家を買うことで、何か変わればいいなと思っていました。

あれだけ楽しそうだったのに、元気が無くなった主人

自分の部屋が出来ることに喜んだ夫は、とても楽しそうに何畳にしようか、
窓はどっちに付けようか、壁紙の素材はどうしようかなどと、
楽しそうに悩んでいました。
私に、
「壁紙とかどんなのがいいかな?」
と聞いてきましたが、
正直、主人の部屋のことには興味が無かったので、
「好きな色にしたら?それか、ずっと使うんだから、無難な色の方がいいんじゃない?」
と答えました。
すると、
「そうだよね。ずっと使うから、飽きない色の方がいいよね?ありがとう。」
と言い、また楽しそうにカタログを見ていました。

そんな風に楽しそうにしていた夫ですが、全て決まり、建築が始まり、もう少しで完成か
という頃になり、また以前の様に、元気が無くなっていたのです。
あれだけ楽しそうにカレンダーに印をつけていたことも、しなくなりました。
仕事には毎日通っていたので、仕事で何かあったのか、
また他に悩みが出来たのか、心配になりました。
家にいてもずっとボーっとしていることが多くなったので、
主人の好きな珈琲をマグカップに注いで、それを主人に渡しながら、
「どうしたの?最近、元気ないけど、大丈夫?
 何でも聞くから、良かったら話して?」
と聞いてみました。
でも、主人は、
「ううん、大丈夫。ちょっといろいろ考え事していただけだから。
 心配させてごめん。」
と言い、
また黙ってしまい、読書を始めてしまいました。
大丈夫と言っていましたが、何だか私は心配でした。
主人は、嫌なことがあると自分で抱えてしまうところがあるので、
悪い方向に行かないか気になりました。

2人で決めたローンについて

今回、一軒家を購入するにあたり、主人といろいろ調べたり相談した結果、
“フラット35”という、ずっと固定金利のローンを選ぶことに決めました。

通常の借金とかでもそうですが、
一度借りてから全て返済を終えるまでに、どんどん金利が上がってしまうローンが
いくつかあり、ローン自体を返すよりも、
毎回金利を返すだけで大変というパターンもあると思います。
そういう風にならないために、
私たちは、私たち自身が損をしにくい固定金利のローンを選ぶことにしたのです。

ローンについては、安心するプランを選ぶことが出来たので、良かったと思います。
しかし、想像していたよりいくつもの審査があり、これを一つずつ合格しないと
先に進まないという大変さや苦労がありました。
けれど、その分きちんと審査などの対応をしてくれたので、安心してお願いすることが
出来ました。

やっとのことで、審査を通過し、竣工するステップまで進むことが出来ました。
竣工が始まっても、まだ完成まで審査があるので、正直ほっとすることが出来ませんが、
完成を楽しみにしながら、主人と待ちたいと思います。
折角、主人が思い切って、人生で2度とない大きな買い物をしたので、
悔いや失敗がなく全てが終われるように、今は願っています。

貯金の重要性

一軒家を欲しいと言っていた主人は、あれからまだ気になるようで、
毎日の様に住宅関係の雑誌を見ては、夢や妄想を膨らませているようでした。
現実的に考えると、購入することやローンを組むことも金銭的に厳しいと思い、
最近は、柔らかく
「金銭的に厳しいから、無理じゃないかな?」
と主人に言っているのですが、
「大丈夫だよ。ローンとか組めば何とかなるから。
 いろいろ考えているから、心配しないで。」
と言ってきたので、これ以上続けると言い争いになると思い、
私はその場で言い合うことを止めました。

今のところ、お互いの給料を合算して、必要な生活費や光熱費、
主人・私のお小遣いを引いた残りのお金を全て貯金に回しています。
今のところ、まだ子宝に恵まれませんが、いつか赤ちゃんが出来た時のために、
必要になると思われるお金を今のうちから貯めようと考えているのです。
また、子どもが出来なくても、主人の収入が不安定なので、将来の老後のことも
合わせて考えています。
主人は、そんなに貯金しなくていい!といい加減なことを言っていますが、
私としては、いつ何時、何が起こるかわからないので、
その時にお金が無く路頭に迷うより、
今のうちから準備しておくことが大事と考えているので、
主人に若干反対されても貯金することを止めるつもりはありませんでした。

多くなる飲酒量。さらにはマイホームの話まで・・・

主人が笑わなくなってから、数日経ちましたが、
相変わらずあまり笑ってはいません。
それに加えて、お酒を飲む量も増えてきました。
飲む回数は、大体2日に1回と変わりはありませんでしたが、飲む量が
2,3本から、4,5本に増えてきたのです。
今までは主人が好きそうな種類のお酒を冷蔵庫に常備していたのですが、
それでは足らず、仕事帰りに自分で買ってくるようになったのです。
さすがの私も、何かあったんじゃないかと心配になり、
主人に
「前よりどんどんお酒飲んでいるけど、大丈夫?
 仕事で何かあったの?」
と聞くと、
「うるさいな!ほっといてくれよ!」
と、キツく言ってきました。
「大丈夫じゃないでしょ?何かあったら聞くよ?」
と言ったら、
「本当にほっといてくれ!飲まないとやってらんないんだ!」
と、今まで見たことのない怖く・辛い表情で、主人が私に言ってきました。
これ以上何か言っても、主人の機嫌が悪くなる一方だと思ったので、
私は言うのを止めました。

主人の会社の人と私は何も繋がりが無かったので、会社でのことを
誰かに聞きたくても、聞けない状況でした。

そんな日が続いたある日、
主人がめずらしく笑顔で帰ってきました。
何かイイ事があったのかと思い、
「どうしたの?」
と聞くと、
「美佐子、俺決めた。家買う!今度、契約しに行こう!」
と言ってきたのです。
突然のことに、呆然として固まっていると、
「前に言ってただろう?一軒家欲しいなって。それで、決めたんだ。一軒家買おうよ!
 ある程度、会社決めてあるから、今度の休みにいろいろ回って決めよう。」
と、さらに言ってきました。
「え?本気なの?お金はどうするの?そんな一軒家買うお金なんてないわよ。
 何考えているの?」
と聞くと、
「ローン組めばいいんだよ。今は、いろいろなタイプのローンがあるみたいで、
 自分達の状況にあったタイプのローンを選べば大丈夫だよ。
 ね、だから見に行こう?」
と一方的に、主人が言ってきて、私が返事をする前に、主人はさっさと寝てしまいました。

増えてくる主人の飲酒量、表情も暗くなり・・・

子どもが欲しかった私は、中々子宝に恵まれないストレスを感じるようになりました。
特に検査とかしているわけではないので、原因は不明のままでした。
私か主人のどちらかに何らかの原因があるかもしれませんし、
または、別のところに原因があるかもしれません。
原因が不明なことも私にとって、さらにストレスを多く感じるようになってしまっていました。

主人に当たるつもりがなくても、気付かぬ内に、主人にこのイライラを当てる様に
なってしまったのか、最近主人がよく飲酒する様になりました。
ただ飲みたくなって飲んでいるのかもしれませんが、前はあんまり飲酒することがなく、
飲んだとしても休みの日曜日ぐらいでした。
しかし、最近は2日に1回は、飲酒しているので少し気になっていました。
回数も増えましたが、飲む量も増えた気がします。
以前は、ビールやチューハイを一日一本しか飲んでいませんでしたが、
最近は2、3本飲むことが増えてきました。
仕事で何か嫌なことでもあったのかと思い、聞いてみても、
主人は
「何でもない。ただ飲みたいだけだ。」
と言うだけで、他に何も言いませんでした。

そんな主人を見ていると心配でしたが、それ以外のことは特に変わりがなく、
今までの様子だったので、ただお酒が好きになったのかなと
簡単に考えてしまっていました。

そんな日が数日続いた頃、主人があまり笑わなくなりました。
その日の機嫌にもよりましたが、今までは大体いつも私にいろいろとその日にあったこと
などを話してくれて、2人で笑ったりしていました。
会話をしていない時でもテレビを見たりしていると、一人で笑っていたりしました。
そんな主人があまり笑わなくなったのを見て、少し不安になりました。

私の今までについて

私は、30歳くらいまでいい出会いに恵まれず、ずっと独身のまま社会人をしていました。
ある程度お給料が安定すると、実家を出て、1人暮らしをするようになりました。
このまま一生独身だろうと諦めていた頃、母の親戚の方から見合い話を聞きました。
特に結婚願望は無かったのですが、家族の勧めもあり、試しにお見合いをすることに
なりました。
しかし、お会いした方と話していると、自分と全く趣味が違ったり、静かめな性格の私と
違い、ベラベラと話し続けるこの人についていけず、一度目のお見合いは失敗に終わって
しまいました。

そして、何度かお見合いを続けていくうちに、今の主人に出会いました。
初めて主人と会った時、私に似ておとなしい印象を感じたので、何だか親近感を覚えました。
お互い緊張しながらも会話をしていくと、自然に会話が弾み、すぐに打ち解け合えた気が
しました。
それから自然と交際が始まり、私が36歳の時、主人と結婚をしました。
結婚後も私は、仕事を続けました。彼も同じ様に社会人だったので、新婚の気分をあまり
味わえないまま、忙しい日々を過ごしていました。
私は子供が出来たら、育児や家事に専念するために仕事を辞めようと考えていて、
彼も私の意見に同意をしてくれました。
しかし、残念ながら、私達夫婦は子宝に中々恵まれませんでした。

一軒家に憧れ始めた主人

私達夫婦は、子宝に中々恵まれませんでしたが、
お互い仕事が休みの日には、どこかへ出掛けたり、
記念日には何かプレゼントを交換し合ったりと、忙しくても夫婦仲良く過ごして
これたと思います。

私の勤務する会社は、大手企業の子会社だったため、安定して勤務を続けることが
出来ていました。
しかし、主人が勤務する会社は、製造業の部類に入るため、
仕入れ状況や売り上げなどにより、経営も不安定な様でした。
彼から毎月見せてもらう給与明細を見ても、月によって給料が多い月、少ない月と
バラバラでした。
でも、自分の好きな仕事をしている主人は、いつも楽しそうに仕事の話を
私にしてくるので、楽しそうに話す主人を見ていると、そんなことは気になりませんでした。

結婚当初から、安めのマンションに2人で暮らしていましたが、
最近主人が、テレビのCMや広告などで、物件や新築の情報を見ると、
「一軒家って良いよね。憧れるな。やっぱり男は一軒家だよな。」
とよく言うようになりました。
初めはCMなどを見るだけだったのですが、
どんどん住宅情報誌を手に入れたり、ネットで分譲地などを調べるようになりました。

私も隣近所を気にするマンションより、のんびりと一軒家で住んでみたいと思ったこと
もあります。
確かに憧れますが、まだ貯蓄があまりないので、私はきちんとお金を貯めることが大事だと
思っていました。