問いただしてみたら、リストラされていた。

絶対何か隠していると思った私は、
「そう、ならいいんだけど。まだこの家のローンがたくさん残っているんだから、
 もし仕事を辞めることになったら、とても大変になると思うの。
 だから、もし仕事を辞める状況になったら、早めに教えてほしいんだ。
 そして、すぐに次の仕事を探して欲しいの。何があったか知らないけど、
 ずっと抱え込んでいるのも良くないと思う。」
と正直に私が思っていることを伝えました。
すると、主人は少しの間、沈黙していました。
そっとしておいたほうがいいと思い、私がその場から離れてキッチンの後片付けを
しようとしたら、
「ごめん!」
と主人が謝ってきました。
「え?」
と私が聞くと、
「実は、この前会社をクビになっちゃったんだよ。いわゆる、リストラっていうやつ。
 自分では一生懸命頑張っていたんだけど、会社の経営が良くないみたいで、
 俺だけじゃなく、他にも3人クビになったんだ。
 俺は、“ローンがたくさん残っているから、クビにされたら困ります!仕事頑張りますから!”
 って、社長に一生懸命お願いしたんだけど、逆に頭下げられちゃって、ダメだった。
 どういう基準で俺たちが選ばれたのかわからないんだけど、どうしようもなくて…。
 クビって言われた日に、きちんと言おうと思ったんだ。でも、自分からこの家建てたい!って
 強気で言った手前、プライドとかが邪魔して、言えなかった。
 でも、仕事に行かないと怪しまれると思ったから、クビって言われても、毎日外出して、
 ずっと公園とかで時間を潰していたんだ。きちんと言わなくて、ほんとにゴメン。」
と謝ってきました。

とりあえず、
「そっか。言ってくれてありがとう。でも、もっと早く言ってほしかった。
 そしたら、今後についていろいろ対策できていたと思ったんだけど。
 次の仕事は見つかったの?」
と聞くと、
「ううん。まだ、見つかっていない。というか、探してない。
 でも、探さなきゃダメだよな。ゴメン、明日から頑張るよ。」
と返事が返ってきました。
「うん、絶対そうしてね。仕事しないと、本当にローンどころか、生活しているのも
 厳しくなるから、頑張ってね。私も出来ることはするから。」
と言いました。

何となくこうなる展開になると予想していましたが、まさか本当にクビになっているとは
思わず、正直驚いてしまいました。この先、まだ何十年と残っているローンをどうやって
返していったらいいのか考えたら、頭が真っ白になってしまいました。
早く仕事を見つけてくれればいいのですが・・・。

内緒で、怪しい主人の後を付けてみたら・・・

あれから2週間ほど経ちました。
相変わらず、仕事帰りの主人から仕事特有の匂いはしていません。
また、本人に問いただしても、誤魔化されると思ったので、
会社に許可を取り、有休をもらって平日一日だけ休みをもらいました。
なぜかというと、仕事に向かう主人の後を付いて行き、
職場で本当に変わらず製造業を担当しているかなど、
いろいろ気になったので、確認してみようと思ったからです。
主人が仕事の休みの日に、事前に一度、下見に行くことにしました。
今まで住所を聞いていただけなので、当日、道に迷ってしまったら
大変なので、行き方を把握しようと思いました。
無事に着くことが出来たので、休みをもらった明後日に実際に
後を付いてみることにしました。

主人が家を出てから、私も急いで準備をし、
主人の後ろ50メートルくらい離れた距離から、後をつけてみました。
普段どおりのままだと、すぐバレてしまう可能性があるので、
いつもしてないメガネをしたり、帽子を被ったりして、
別人になりすましました。
いつも最寄り駅から電車に乗って、職場に行っていることは知っていたので、
駅まで後をつけていくと、駅まで行かず、駅前の公園の方に向かったのです。
なんで、公園に行くのか、気になりましたが、離れて様子を見ていると、
公園のベンチに座ったのです。

主人からしなくなった仕事の匂い

主人の様子が怪しいと感じながらも、私は毎日仕事を続け、
慌しい日々が過ぎていきました。

それから、2年ほど経った頃、
また主人の異変に気付いたのです。

主人は製造業の仕事をしているので、
仕事から帰ってくると、いつも油の様な独特の匂いを服につけながら
帰ってきていました。
結婚当初の頃は、この独特の匂いに慣れず、鼻を摘まみながら洗濯をしたりなど
苦労しましたが、数年たった今は、この匂いにも慣れ、特に嫌に思ったことが
ありませんでした。
だからこそ、最近、仕事から帰ってくる主人の服から、
この匂いがしなくなったことに異変を感じるようになったのです。
最近は、あまり会話をしなくなった私たちでしたが、
特に部署異動など聞いていなかったので、ずっと製造を担当している主人から、
あの匂いがしなくなったことに、違和感を覚えました。

匂いがしなくなってもいつも通りの時間に出勤し、
いつも通りの時間に帰ってくる主人。
そんな日が2週間続いた頃、
思い切って聞いてみました。
「いつもお疲れ様。最近、いつもの油の様な匂いがあなたの服から
 しないみたいなんだけど、勤務するところ変わったりした?」
と仕事から帰ってきた主人に何となく、聞いてみました。
すると、急に慌てだし、
「な、何言ってんの?匂いに慣れすぎて、わかんなくなっちゃったんじゃない?
 変わってないよ。」
と時折、しどろもどろになりながら言ってきました。
「え?でも、今までずっと嗅いでいた匂いだから、
 わからなくなることないと思うんだけど。」
と言っても、
「気のせい、気のせい。じゃあ、お風呂入ってくるから。」
と言い、その場から逃げてしまいました。
怪しく思いましたが、もう2週間ぐらい様子を見て、
それからどうするか考えてみようと決めました。

後を付けてみたら、職場には行かず、なぜか公園にずっと・・・

そこから、10分経っても、30分経っても、その場から動こうとはしませんでした。
もしかして、急に具合でも悪くなったのか心配になりましたが、
ここで私が出て行くと、とても怪しまれると思いますし、特に苦しんでいる様子では
なかったので、このまま様子を見ることにしました。
すると、1時間…2時間…経っても動こうとはしませんでした。
私はずっと物陰から見ていることが体勢的に辛くなり、
公園が見える近くのカフェに入って、様子を見ることにしました。
その後、一度立ち上がって歩き始めたので、職場に行くと思いきや、
公園のトイレに行ったり、コンビニに飲み物を買いに行ったりするだけで、
中々その場から動こうとはしませんでした。
私は注文しているとはいえ、何時間もカフェに居続ける事が出来なかったので、
店を出て、また物陰から様子を伺うことにしました。

結局、いつも仕事が終わる時間まで、主人は公園にずっと居たのです。
なんで、こんなことをしているのか気になったのと、私に嘘をついていたことが頭にきて、
何だかもやもやした気分になりました。
その後、何事もなかった様に、家に帰っていった主人。
私が主人より遅く帰ることはいつもないので、怪しまれないように、
1本前の電車に乗り、一足先に自宅へと帰りました。
帰ってきた主人は、わざとらしく「あ~、疲れた~。」と言いながら、
いつものようにビールを飲んでいました。
今日、何もしていないのにビールを飲むなんて、
私はイライラが止まりませんでした。
今すぐにでも、問いただそうと思いましたが、
ここは我慢して、週末の金曜日の夜にでも聞いてみようと決めました。

怪しい主人に、思い切って問いただしてみると・・・

主人の怪しい行動に気付いてから、数日が経ち、遂に金曜日になりました。
この日に、主人に聞いて事実を確認しようと決めていたので、
私は朝から、若干緊張していました。
主人がいつも通り仕事へと向かった後(おそらくまた公園にいる)、私も準備を整え、
いつも通り仕事へ向かいました。
この日は、夜のことが気になり、あまり仕事に集中できませんでしたが、
何とか仕事に集中して、無事に仕事を終わらすことが出来ました。
その後、家に帰りいつも通り、夕食の準備をしていると、
主人が帰ってきました。案の定、主人の服から仕事特有の油の匂いはしませんでした。

最近は、ほとんど自室に篭もらなくなった主人は、夕食後、テレビを見ながら
ビールを飲んでリラックスしていました。
私は、意を決して、主人に近づき、
「ねぇ、ちょっといいかな?」
と話しかけました。
主人は、
「何?」
と少し酔っ払った感じで聞いてきました。
「いつも仕事お疲れ様。
 ところで、いつも公園に行って何しているの?
 仕事はどうしたの?」
と思い切って聞いてみました。
「な、何言っているんだよ!公園て何?
 俺、毎日仕事に行っているよ。どうしたんだよ、急に!」
と慌てながら答えてきたので、
「この前、あなたの服から仕事特有の油の匂いがしなくなったっていったじゃない?
 その日から、ずっと様子をみていたんだけど、ずっと匂いはしなかったの。
 先に謝っておくけど、ごめんなさい。
 それで、気になったから、先日あなたが仕事に行った後、ずっと後を付けていたの。
 そしたら、いつも最寄の駅から電車に乗るはずなのに、駅に向かわないから、
 おかしいな?って思ったの。そしたら、近くの公園に行って、
 公園にずっと座っていたわよね?どうしたの?
 仕事で何かあったの?」
と聞きました。
「なんで、そんな探偵みたいな真似してんの?公園にいたっていいだろ?
 たぶん、その日は休みだったんだよ。大丈夫だから。」
と言ってきました。

主人のお小遣い事情

しかし、引越ししてからは、お小遣いだけでは足りないようで、よく“足りない!”と、
催促をするようになったのです。

なので、元々のお小遣い分と同じになるように追加で渡しても、それすら使い果たして
しまい、また“足りない!”と言う始末です。
私があれだけお金のことや貯金のことを心配したのに、私の心配を押し切り、
自分で一軒家を買う決断をしたのに、
こうやって平気でお小遣いの追加を催促してくる主人に対して、
私はイライラが止まりませんでした。

なので、最近はこの金銭面に対して、よく言い合うようになってしまいました。
自分が建てたいといったのに、金銭的に厳しくなった現実に納得いっていない主人と、
主人の勝手で節約することになったのに、頑張って工夫している私の意見は
全くの正反対で、いつも言い合っていました。
結局最後に、私が
“あなたが私の反対を押し切って、この家を買ったんだから、
お金が無いのは、自分が悪いんでしょ。私はお金が無いんだから、買うの諦めたらと
何度も言ったのに、一切聞いてくれないんだから。
今のこの厳しい現状は、自分で撒いた種なんだから、よく考えて、反省してよね!”
と言うと、ふて腐れて、文句を言わなくなるのです。

この繰り返しで、一向に反省せず、節約をしてくれない主人に、私は嫌気がさしていました。

今までで一番怒った主人。一体何があったのか?

そんな日々が続いたある日、
いつもは、元気に仕事へ出勤していた主人が、
ある時から、元気が無くなっていきました。
以前にもこういうことがあり、
本人に聞いてみても、“大丈夫だよ!”と返事が返ってきていたので、
今回も同じ様な感じだから心配しなくて大丈夫かな?と思っていました。

しかし、いつも夕食後、自室に篭もって趣味の時間を楽しんでいた主人が、
その頃あたりから、あまり部屋に篭もらなくなったのです。
夕食時など、私が話しかけると、いつもどおり返事をしてくれて、
会話をしている姿は今までと変わらない様ですが、
それ以外の時は、何だかぼーっとしているのです。
時折、考え込んでいることもあります。

やっぱり、主人のことが心配になり、
「最近、何か考え込んでいるみたいだけど、大丈夫?」
と、いつも通りの感じで聞いてみました。
すると、
「ほっといてくれよ!何だっていいだろ?
 俺だっていろいろあるんだよ!俺の身にもなってくれよ!」
と逆ギレをしてきたのです。所々意味がわからないところもありましたが、
聞き返すと、さらにキレられそうだったので、言い返しはしませんでした。
結婚してから、今までこんなに怒った主人を見たことが無かったので、
正直、驚きました。
この言い方だと絶対、何かを隠していることは間違いありませんが、
あの調子だと何も聞けない状況なので、とても気にはなりましたが、
いろいろ詮索したりすることは止めました。

少し、様子を見てみようと思います。

一年経っても変わらない、主人の金銭感覚。

一軒家に引越しをしてから、約一年が経ちました。
相変わらず、私は、日々コツコツと節約を続けています。
家を建てる時に、毎月いくらずつ住宅ローンを返済していくか、
夫婦で相談して、きちんと決めました。
この月々の返済、またそれ以上の額をきちんと残せるように、
ちゃんとお金の管理をしていました。
余裕のあった月の分を残しておいて、返済額に足りなくなった月の時に、
その分を足したりして、何とかやりくりをしていました。

けれど、相変わらず、主人のお小遣い事情は、ひどいものでした。
今まで、ずっと我慢していたのか、一つの分野に対して、
こだわる様で、いろんなものを買い集めるようになったのです。
ずっとお小遣いの額は変わらないので、毎月の様に催促をされます。
しかし、私も甘くしてはいけないと思い、いつも主人には厳しくするように
しています。
それで、何とか済んでいますが、もし、私がきちんとお金を管理していなかったら、
今頃、借金まみれになってしまっていたと思います。
私も、自分で仕事を給料を稼いでいるので、その分、少し贅沢をしたり、
ブランド物のバッグなど欲しいと思うことがありますが、
生活していくため、いつも我慢をしています。
それなのに、主人には危機管理が全く感じられないので、
こんな家、建てるんじゃなかったなぁと後悔することもあります。

ついに念願の一軒家が完成!しかし、主人に変化が・・・。

あれから月日が経ち、ついに念願の一軒家が完成しました。
主人がアレコレこだわった細かいところまで、丁寧に作ってくださり、
主人も私も満足のいく、仕上がりとなりました。

それからは、引越ししたり、いろいろな手続きをしたり、変更したりと
バタバタな日々を過ごしていましたが、
新しい家での生活は快適なものでした。
お互い仕事をしながら、引越し後の荷解きをしたりしていたので、
あまりゆっくりする暇が無く、ゆっくり出来たのは、
引越しをして、2,3週間ほど経ってからでした。
バタバタしている中でも、主人は念願の自分の部屋を自分好みにレイアウト
したり、趣味の時間に費やしたりして、楽しんでいるようでした。

しかし、その頃から、主人がよく自分の部屋に篭もるようになったのです。
自分の好きな趣味を楽しんでいるんだと思います。
けれど、最近は、夕食後、すぐに自室に篭もってしまうのです。
ほぼ毎日です。
今までは、夕食後から就寝までの時間が、夫婦揃ってゆっくりと過ごす時間だったので、
その日あったことやテレビを見ながら他愛もないことを話していたのですが、
主人が自室に篭もるようになってから、
唯一の2人でゆっくり話す時間が無くなっていきました。
夕食事時にも、話したりするのですが、主人は食べるのが早く、
あまり会話をしないまま、食べ終わってしまい、食事の時間が終わってしまうのです。
そして、すぐにお風呂に入り、お風呂から出たら、自室に篭もるという習慣が
毎日の様に行われています。
今までも、夕食後、私が後片付けをしている間にお風呂に入っていたのですが、
お風呂から出た後は、リビングに来て、二人の時間を過ごしていました。

彼の生活リズムの変化に私は戸惑っていましたが、こんな日が続いていきました。

たくさん残っているローンのため、厳しい節約の日々

主人の生活リズムの変化に戸惑いながらも、日々は過ぎていきました。
40歳を過ぎても、子宝に恵まれなかった私たち夫婦は、新築したことを期に、
子どものことを諦めました。
なので、私たちは、結婚して何年も経つので、新婚とは言えませんが、
子どもがいない分、いつまでも夫婦仲良しでいたいと、
そして、時間があれば少しでも一緒の時間を過ごしていたいと思っていました。
心機一転、夫婦2人での新しい暮らしを楽しもうと思ったのです。

けれど、新しい家になってから、どんどん夫婦一緒に過ごす時間が少なくなり、
私は寂しく思っていました。

今回、フラット35というローンで家を購入したため、ローンを約35年払わなくては
いけません。
なので、引っ越してからは今までよりさらに節約を心がけていくようにしていきました。
出来るだけ外食を控え、忙しくても家で食べるようにして、
暇な時に作り置きした料理を食べたりするようにしていきました。
仕事で忙しい日々ですが、休みの日やちょっとした空き時間に、出来るだけ
料理を作り置きして、冷凍庫で保存するようにしていきました。

また、引越しを機に、いらないものをリサイクルショップに売りに行ったりして、
少しでも利益がもらえるようにしました。
けれど、こんな私の努力も夫には全く伝わらないようで、自分の趣味によくお金を使うようになりました。
今までどおり、お小遣い制なのですが、節約を機に少し額を下げたのです。
今まではあまり消費しなかったようで、お小遣いを渡しても、残ったお金を月末になると、
私に“来月分に回して。”と渡してくれていました。